Samsung PRO Plus(2021) 512GB スピードテストの記事です。
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マイクロSDカードを購入したので、スピードテストの記録をしておきます。
1.製品概要
商品:microSDカード(microSDXC)
メーカー:Samsung
商品名:PRO Plus (2021) MB-MD512KA/EC
容量:512GB
読み取り最大速度160MB/秒
書き込み最大速度120MB/秒
大容量データ転送のためのUHS バスインターフェイス規格:UHS-I
ビデオスピードクラス:V30
UHS スピードクラス:U3
スピードクラス:C10
アプリケーションパフォーマンスクラス:A2
フォーマット:exFAT
付属品:SD変換アダプタ
防水 : 水深1mの海水で最大72時間
耐熱 : -25℃~85℃の環境下での動作、非動作時は-40℃~85℃に対応
耐X線 : 100 mGy (空港のX線検査装置に相当)
耐磁 : 最大15,000ガウス
耐落下 : 最大5 m (16.4フィート)からの落下耐性あり
耐摩耗 : 10,000回の挿抜試験をクリア
保証/サポート:10年保証(ドライブレコーダー/監視カメラでの使用は保証対象外
その他の特徴
長時間のビデオ、高画質の写真を好きなだけ撮影
アクションカメラ、ドローン、および Android デバイスに最適
メーカー公式サイト
https://bit.ly/3pCd68l
販売サイト
https://amzn.to/3GkVnZY
購入価格:10,980円(2021年ブラックフライデー特選セール価格)
2.この商品の購入にあたり考えたこと
2.1.この商品を選んだ理由
主にスマホでの利用を想定し、写真やビデオの保存先として利用予定。
高速、価格/容量のバランスが良かった。
UHS-IのmicroSDの中では最大読み書き速度や各種スピードクラスが高速で、なおかつA2対応でランダムアクセスにも強そうだった。
同シリーズの容量と速度について
パッケージや公式サイトには160/120MB/秒の記載があるのみ。
公式サイトには下記の注意書きがある。
「記載されている転送速度は、その速度に対応している互換性のあるカードリーダーが必要です。それ以外の環境では、UHS-I SDR104の規格に準じます。」
「UHS-I規格と互換性がない製品の速度はインターフェースの条件によって異なります。」
「パフォーマンスの測定値はSamsung社内テストに基づいています。 パフォーマンスは、カードの容量やホストデバイスの種類によって異なる場合があります。」
なお、公式米国サイトには、速度160/120MB/sは512GB製品のスペックであって他の容量はこの限りではない旨の記載があり速度の明示がない。
2.2.この商品に関する懸念
2.2.1.転送速度について
Samsung PRO Plusの読み取り最大速度は160MB/秒と、SDアソシエイションが定めるUHS-I(SDR104)の仕様104MB/sをも余裕で上回る規格外のスピードです。
ニュースリリースによるとDDR200対応の製品とのこと。
メーカー公式サイトによると、このスピードを実現するためには互換性のあるカードリーダーが必要で、それ以外の環境ではUHS-I SDR104の規格に準じるとのこと。
近年、サムスンの他にもサンディスク(ウエスタンデジタル)、マイクロン、トランセンドなどがDDR200対応の商品をリリースしています。
SDアソシエイションによると、UHS-Iには、50MB/s(SDR50)および 104MB/s(SDR104)の2つのスピード区分があるとされています。もしかしたらSDアソシエイション未公表の第3のスピード区分として200MB/s(SDR200)が存在している、もしくは新規格の策定へ向けて各社が取り組んでいる段階なのかもしれません。
私は現在のところSamsung PRO Plusとの互換性が確認されたカードリーダーを所有していないため、以降に記す各種テストでは本来の性能が確認できていない可能性があります。
*サムスンメモリーカード メモリカードリーダー動作確認情報(ITGマーケティング調べ)
https://www.itgm.co.jp/support/data/post-8231
2.2.2.耐久性について
PRO Plusシリーズでは、下位(旧?)のPROシリーズのような録画耐久性(フルHD(1080p)で43,800時間 ※128GBの場合)は備わっておらず、ドライブレコーダー/監視カメラでの使用は保証対象外となっています。
3.エラーチェック及びスピードテスト
以前に購入したmicroSDカードが不良品で記録したデータが破損してしまったことがあるので、特に急ぎの用事などがなければ、可能な限りエラーチェックとスピードテストを行っています。
3.1.エラーチェックとスピードテストのツール
HDTunePROが使えればいいのですが有料なので使っていません。
基本的には下記のいずれかの手法でテストしています。
3.1.1.エラーチェック
利用ツール
a.Check Flash
http://mikelab.kiev.ua/index_en.php
b.H2testw
https://www.heise.de/download/product/h2testw-50539
いずれのツールもメモリ領域の全域もしくは略全域にデータの書き込みと読み出しを行いエラーがないかチェックするものです。
CheckFlashの方がより高精度に検証を行うことができますが、対応容量が256GBまでになっており512GB以上では正常に動作しません。
実際に書き込みと読み出しを行うため、副次的に速度の計測もできます。ただし、リアルタイムの速度ではないのでリアルタイムでの速度変化がわからないという問題があります。
3.1.2.スピードテスト
利用ツール
a.CristalDiskMark
https://crystalmark.info/ja/software/crystaldiskmark/
b.Windows10のエクスプローラ
コピー操作により、別途用意したダミーデータの書き込みを行う。
ポップアップウィンドウに表示される進捗-転送速度グラフを目視確認する。
速度の経時変化が確認しやすい。ただし、グラフのスケールが固定されてしまっているため、一度に全域相当の書き込みを行うと速度変化が確認しづらくなるため、1回当たりの書き込み量を増減させたりすることもあります。
3.1.3.その他のテスト環境
ASUS ROG Zephyrus M16 GU603HM (GU603HM-I7R3060EC)
OS:windows10Home
CPU名:インテルCorei7-11800H
メモリ:16GB(DDR4-3200)
ストレージ:SSD Samsung 980 Pro 1TB
グラフィックス:NVIDIAGeForce RTX3060
カードリーダー:microSDカード
USBポート:Thunderbolt 4 (Type-C)、USB3.2 (Type-C/Gen2)、USB3.2 (Type-A/Gen2)、 USB3.2 (Type-A/Gen1)
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)
Kingston MobileLite Plus SD Reader(型番:MLP)
SD Card Formatter(スピードテスト前にはフォーマットしています。)
https://www.sdcard.org/ja/downloads-2/formatter-2/
3.2.容量の確認
各種テスト実施に先立ち、実際の容量を確認しました。
使用可能容量:512,644,612,096Byte≒477GB(Windows上にて確認)
*画像は後からスクショしました
4.テスト結果
4.1.UHS-I対応カードリーダを使用した場合
4.1.1.
H2testwによるチェック結果です。
PCに搭載されているカードリーダライターを使用しています。
Warning: Only 488894 of 488896 MByte tested.
Test finished without errors.
You can now delete the test files *.h2w or verify them again.
Writing speed: 81.5 MByte/s
Reading speed: 92.3 MByte/s
H2testw v1.4
4.1.2.
CristalDiskMarkによるテスト結果です。
PCに搭載されているカードリーダライターを使用しています。
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CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo
Crystal Dew World: https://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 96.427 MB/s [ 92.0 IOPS] < 86101.32 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 96.468 MB/s [ 92.0 IOPS] < 10858.74 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 14.601 MB/s [ 3564.7 IOPS] < 8949.68 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 13.698 MB/s [ 3344.2 IOPS] < 298.66 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 84.966 MB/s [ 81.0 IOPS] < 97394.66 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 86.082 MB/s [ 82.1 IOPS] < 12168.18 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 2.940 MB/s [ 717.8 IOPS] < 44370.94 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 2.901 MB/s [ 708.3 IOPS] < 1410.67 us>
Profile: Default
Test: 1 GiB (x1) [D: 0% (0/477GiB)]
Mode: [Admin]
Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec
4.1.3.
Windows10エクスプローラのコピー作業による書き込み速度観察です
PCに搭載されているカードリーダライタを使用しています。
約1GBのダミーデータを複数個まとめて、数回書き込みます。
先にテスト結果についてまとめます。
概ね80MB/s台を維持し続けます。
9GB程度ごとに周期的に60MB/s程度に速度低下を起こしますが、素早く回復するため、トータルでの速度の影響は少ないです。
空き容量が減少しても速度低下を起こしません。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを書き込みます。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを追加で書き込みます。(合計200GB)
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを追加で書き込みます。(合計300GB)
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを追加で書き込みます。(合計400GB)
*スクリーンショットをとり損ねました
約1GBのダミーデータを20個、合計約20GBを追加で書き込みます。(合計420GB)
約1GBのダミーデータを10個、合計約10GBを追加で書き込みます。(合計430GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計4600GB)
約1GBのダミーデータを5個、合計約5GBを追加で書き込みます。(合計465GB)
約1GBのダミーデータを1個、合計約1GBを追加で書き込みます。(合計466GB)
約1GBのダミーデータを4個、合計約4GBを追加で書き込みます。(合計470GB)
約1GBのダミーデータを2個、合計約2GBを追加で書き込みます。(合計472GB)
約1GBのダミーデータを3個、合計約3GBを追加で書き込みます。(合計475GB)
4.2.UH-II対応カードリーダを使用した場合
4.2.1.
H2testwによるチェック結果です。
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
Warning: Only 488894 of 488896 MByte tested.
Test finished without errors.
You can now delete the test files *.h2w or verify them again.
Writing speed: 105 MByte/s
Reading speed: 139 MByte/s
H2testw v1.4
4.2.2.
CristalDiskMarkによるテスト結果です。
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
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CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo
Crystal Dew World: https://crystalmark.info/
------------------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 158.608 MB/s [ 151.3 IOPS] < 52552.20 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 159.145 MB/s [ 151.8 IOPS] < 6587.80 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 9.207 MB/s [ 2247.8 IOPS] < 14207.72 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 8.709 MB/s [ 2126.2 IOPS] < 469.99 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 113.041 MB/s [ 107.8 IOPS] < 73408.38 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 105.194 MB/s [ 100.3 IOPS] < 9929.37 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 3.435 MB/s [ 838.6 IOPS] < 37980.86 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 3.349 MB/s [ 817.6 IOPS] < 1218.75 us>
Profile: Default
Test: 1 GiB (x1) [D: 0% (0/477GiB)]
Mode: [Admin]
Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec
4.2.3.
Windows10エクスプローラのコピー作業による書き込み速度観察
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
約1GBのダミーデータを複数個まとめて、数回書き込みます。
先に結果を示します。
概ね100MB/s台を維持し続けます。
9GB程度ごとに周期的に70MB/s程度に速度低下を起こしますが、素早く回復するため、トータルでの速度の影響は少ないです。
空き容量が減少しても速度低下を起こしません。
UHS-IIに対応している機器であれば非常に快適に利用可能です。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを書き込みます。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを追加で書き込みます。(合計200GB)
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを追加で書き込みます。(合計300GB)
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを追加で書き込みます。(合計400GB)
約1GBのダミーデータを20個、合計約20GBを追加で書き込みます。(合計420GB)
約1GBのダミーデータを10個、合計約10GBを追加で書き込みます。(合計430GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計460GB)
約1GBのダミーデータを5個、合計約5GBを追加で書き込みます。(合計465GB)
約1GBのダミーデータを1個、合計約1GBを追加で書き込みます。(合計466GB)
約1GBのダミーデータを4個、合計約4GBを追加で書き込みます。(合計470GB)
約1GBのダミーデータを2個、合計約2GBを追加で書き込みます。(合計472GB)
約1GBのダミーデータを3個、合計約3GBを追加で書き込みます。(合計475GB)
まとめ
しかし、動作確認済みカードリーダではなくても、UHS-II対応のカードリーダを使用することで商品仕様上の最大速度に迫るスピードが出ました。
UHS-I(SDR104)としても規格上限に迫る速度が出ていました。
上記広告のリンク先が輸入版商品等の場合、保証等が国内向け商品とは異なる場合があります。