Transcend microSDXC 340S 256GB スピードテストの記事です。
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マイクロSDカードを購入したので、スピードテストの記録をしておきます。
1.製品概要
商品:microSDカード(microSDXC)
メーカー:Transcend
商品名:microSDXC 340S 256GB(TS256GUSD340S)
容量:256GB
フラッシュ種類:3D NANDフラッシュ
読み取り最大速度160MB/秒
書き込み最大速度125MB/秒(公式サイトに記載あり、パッケージに記載なし)
大容量データ転送のためのUHS バスインターフェイス規格:UHS-I
ビデオスピードクラス:V30
UHS スピードクラス:U3
スピードクラス:C10
アプリケーションパフォーマンスクラス:A2
フォーマット:exFAT
付属品:SD変換アダプタ
動作温度:-25℃~85℃
挿抜サイクル:10,000
電圧:2.7~3.6V
保証/サポート:5年保証
その他の特徴
スマートフォン、携帯ゲーム機、アクションカメラ、ドローンカメラに最適
4K Ultra HD録画が可能
快適なゲーム体験
優れたパフォーマンスと安定性を提供するために、温度耐性、防水性、耐衝撃性、耐X線、耐静電性を確認するための試験を実施
データ復旧ソフトウェアのRecoveRxがダウンロードにより任意提供
https://jp.transcend-info.com/Support/Software-4
メーカー公式サイト
https://jp.transcend-info.com/product/memorycards/microsdxc-340s
販売サイト
https://amzn.to/34kXSOi
購入価格:¥5,980(2021年08月、イートレンド/amazonマーケットプレイス)
2.この商品の購入にあたり
2.1.この商品を選んだ理由
主にスマホでの利用を想定し、写真やビデオの保存先として利用予定。
高速、価格/容量のバランスが良かった。
UHS-IのmicroSDの中では最大読み書き速度や各種スピードクラスが高速で、なおかつA2対応でランダムアクセスにも強そうだった。
参考)同シリーズにおける容量と速度の関係
読取り/書込み160/80MB秒 (64GB)
読取り/書込み160/125MB/秒 (128GB~256GB)
TS-HUB5C使用時限定
2.2.この商品に関する懸念
2.2.1.互換性
Transcend microSDXC 340Sの読み取り最大速度は160MB/秒と、SDアソシエイションが定めるUHS-I(SDR104)の仕様104MB/sをも余裕で上回る規格外のスピードです。
実際、このスピードを実現するためには専用のリーダーTS-HUB5Cが必要とされています。
では、専用のリーダーがない場合にはどのような性能を示すのか、互換性はしっかりと確保されているのかという懸念が生じました。
UHS-I(SDR104)互換として動作するのでしょうが、その際の速度については明示されていません。
近年のSDカードに関するニュースを確認すると、サンディスク(ウエスタンデジタル)、マイクロン、サムスンがDDR200対応の商品をリリースしていることがわかりました。
Transcend microSDXC 340Sは独自規格ということになっていますがDDR200に属する商品として開発されたものと推測します。(一部ショップサイトにはDDR200の記載あり)
SDアソシエイション公式サイトによると、UHS-Iには、50MB/s(SDR50)および 104MB/s(SDR104)の2つのスピード区分があるとされています。
もしかしたら未公表の第3の新区分として200MB/s(SDR200)が存在している、もしくは新規格の策定へ向けて各社が取り組んでいる段階なのかもしれません。
今後対応製品が各社から登場するかもしれませんが、現状この規格外の速度を実現する用途としては専用のリーダーとUSB3.0以上のインターフェイスを介したPCでの利用くらいに限られそうです。
私は現在のところ専用カードリーダーTS-HUB5Cを所有していないため、以降に記す各種テストでは本来の性能が確認できていない可能性があります。
2.2.2.耐久性
搭載しているNANDフラッシュチップの種別についての明示がありません。おそらくはTLCでしょう。
MLCであれば高耐久をアピールするでしょうし、QLCであれば1TB以上の超大容量がラインナップされるでしょう。
TLCだとして、SSDであれば容量の600倍程度のTBWの商品が多いようだが、microSDカードであれば100~300倍程度のTBWとなるのであろうか。
3.エラーチェック及びスピードテスト
以前に購入したmicroSDカードが不良品で記録したデータが破損してしまったことがあるので、特に急ぎの用事などがなければ、可能な限りエラーチェックとスピードテストを行っています。
3.1.エラーチェックとスピードテストのツール
HDTunePROが使えればいいのですが有料なので使っていません。
基本的には下記のいずれかの手法でテストしています。
3.1.1.エラーチェック
利用ツール
a.Check Flash
http://mikelab.kiev.ua/index_en.php
b.H2testw
https://www.heise.de/download/product/h2testw-50539
いずれのツールもメモリ領域の全域もしくは略全域にデータの書き込みと読み出しを行いエラーがないかチェックするものです。
CheckFlashの方がより高精度に検証を行うことができますが、対応容量が256GBまでになっており512GB以上では正常に動作しません。
実際に書き込みと読み出しを行うため、副次的に速度の計測もできます。ただし、リアルタイムの速度ではないのでリアルタイムでの速度変化がわからないという問題があります。
3.1.2.スピードテスト
利用ツール
a.CristalDiskMark
https://crystalmark.info/ja/software/crystaldiskmark/
b.Windows10のエクスプローラ
コピー操作により、別途用意したダミーデータの書き込みを行う。
ポップアップウィンドウに表示される進捗-転送速度グラフを目視確認する。
速度の経時変化が確認しやすい。ただし、グラフのスケールが固定されてしまっているため、一度に全域相当の書き込みを行うと速度変化が確認しづらくなるため、1回当たりの書き込み量を増減させたりすることもあります。
3.1.3.その他のテスト環境
ASUS ROG Zephyrus M16 GU603HM (GU603HM-I7R3060EC)
OS:windows10Home
CPU名:インテルCorei7-11800H
メモリ:16GB(DDR4-3200)
ストレージ:SSD Samsung 980 Pro 1TB
グラフィックス:NVIDIAGeForce RTX3060
カードリーダー:microSDカード
USBポート:Thunderbolt 4 (Type-C)、USB3.2 (Type-C/Gen2)、USB3.2 (Type-A/Gen2)、 USB3.2 (Type-A/Gen1)
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)
Kingston MobileLite Plus SD Reader(型番:MLP)
SD Card Formatter(スピードテスト前にはフォーマットしています。)
https://www.sdcard.org/ja/downloads-2/formatter-2/
3.2.容量の確認
各種テスト実施に先立ち、実際の容量を確認しました。
使用可能容量:247,396,827,136Byte≒230GB(Windows上にて確認)
3.3.テスト対象の状態
今回テストするTranscend microSDXC 340S 256GBは数か月前に購入し、その当時、旧環境でエラーチェックをした後、使用せずに保管してあったものです。使用頻度は少ないため、その影響については無視することにします。
4.テスト結果
4.1.UHS-I対応カードリーダを使用した場合
4.1.1.
H2testwによるチェック結果です。
PCに搭載されているカードリーダライターを使用しています。
Warning: Only 235934 of 235936 MByte tested.
Test finished without errors.
You can now delete the test files *.h2w or verify them again.
Writing speed: 80.5 MByte/s
Reading speed: 92.3 MByte/s
H2testw v1.4
4.1.2.
CristalDiskMarkによるテスト結果です。
PCに搭載されているカードリーダライターを使用しています。
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CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo
Crystal Dew World: https://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 96.587 MB/s [ 92.1 IOPS] < 86079.09 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 96.665 MB/s [ 92.2 IOPS] < 10838.33 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 13.595 MB/s [ 3319.1 IOPS] < 9604.31 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 13.006 MB/s [ 3175.3 IOPS] < 314.72 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 84.352 MB/s [ 80.4 IOPS] < 98223.54 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 85.485 MB/s [ 81.5 IOPS] < 12231.09 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 2.804 MB/s [ 684.6 IOPS] < 46498.95 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 2.814 MB/s [ 687.0 IOPS] < 1454.21 us>
Profile: Default
Test: 1 GiB (x1) [Z: 0% (0/230GiB)]
Mode: [Admin]
Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec
4.1.3.
Windows10エクスプローラのコピー作業による書き込み速度観察です
PCに搭載されているカードリーダライタを使用しています。
約1GBのダミーデータを複数個まとめて、数回書き込みます。
先にテスト結果についてまとめます。
概ね80MB/s台を維持し続けます。
おおよそ10GBごとに一時的に60MB/秒台まで速度低下を起こします。
空き容量が減少しても速度低下を起こしません。
UHS-I(SDR104)規格としては最高クラスの性能を発揮しました。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを書き込みます。
約1GBのダミーデータを10個、合計約10GBを追加で書き込みます。(合計110GB)
約1GBのダミーデータを20個、合計約20GBを追加で書き込みます。(合計130GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計160GB)
約1GBのダミーデータを40個、合計約40GBを追加で書き込みます。(合計200GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計230GB)
4.2.UHS-II対応カードリーダを使用した場合
4.2.1.
H2testwによるチェック結果です。
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
Warning: Only 235934 of 235936 MByte tested.
Test finished without errors.
You can now delete the test files *.h2w or verify them again.
Writing speed: 109 MByte/s
Reading speed: 136 MByte/s
H2testw v1.4
4.2.2.
CristalDiskMarkによるテスト結果です。
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
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CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo
Crystal Dew World: https://crystalmark.info/
------------------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 153.271 MB/s [ 146.2 IOPS] < 54391.19 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 153.538 MB/s [ 146.4 IOPS] < 6822.82 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 9.356 MB/s [ 2284.2 IOPS] < 13975.59 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 9.270 MB/s [ 2263.2 IOPS] < 441.67 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 120.363 MB/s [ 114.8 IOPS] < 69138.72 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 119.969 MB/s [ 114.4 IOPS] < 8730.78 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 3.055 MB/s [ 745.8 IOPS] < 39449.99 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 3.306 MB/s [ 807.1 IOPS] < 1235.14 us>
Profile: Default
Test: 1 GiB (x1) [X: 0% (0/230GiB)]
Mode: [Admin]
Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec
4.2.3.
Windows10エクスプローラのコピー作業による書き込み速度観察
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
約1GBのダミーデータを複数個まとめて、数回書き込みます。
先に結果を示します。
概ね110MB/s台を維持し続けます。
10GB程度ごとに周期的に80MB/s程度に速度低下を起こしますが、素早く回復するため、トータルでの速度の影響は少ないです。
空き容量が減少しても速度低下を起こしません。
UHS-II規格に対応している機器であれば非常に快適に利用可能です。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを書き込みます。
約1GBのダミーデータを10個、合計約10GBを追加で書き込みます。(合計110GB)
約1GBのダミーデータを20個、合計約20GBを追加で書き込みます。(合計130GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計160GB)
約1GBのダミーデータを40個、合計約40GBを追加で書き込みます。(合計200GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計230GB)
まとめ
この商品の最大速度は独自規格上で実現されているもので、この最大速度で使用するためには専用カードリーダTS-HUB5Cが必要とされています。
しかし、専用カードリーダではなくても、UHS-II対応のカードリーダを使用することで商品仕様上の最大速度に迫るスピードが出ました。
UHS-I(SDR104)としても規格上限に迫る速度が出ていました。
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