Samsung EVO Plus(2021) 256GB スピードテストの記事です。
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マイクロSDカードを購入したので、スピードテストの記録をしておきます。
1.製品概要
商品:microSDカード(microSDXC)
メーカー:Samsung
商品名:EVO Plus (2021) MB-MC256KA (256GB)
容量:256GB
読み取り最大速度130MB/秒
書き込み最大速度非公開
大容量データ転送のためのUHS バスインターフェイス規格:UHS-I
ビデオスピードクラス:V30
UHS スピードクラス:U3
スピードクラス:C10
アプリケーションパフォーマンスクラス:A2
フォーマット:exFAT
付属品:SD変換アダプタ
防水 : 水深1mの海水で最大72時間
耐熱 : -25℃~85℃の環境下での動作、非動作時は-40℃~85℃に対応
耐X線 : 100 mGy (空港のX線検査装置に相当)
耐磁 : 最大15,000ガウス
耐落下 : 最大5 mからの落下耐性あり
耐摩耗 : 10,000回の挿抜試験をクリア
保証/サポート:10年保証(ドライブレコーダー/監視カメラでの使用は保証対象外
その他の特徴
4K動画や大量の写真をスムーズに撮影、転送
アクションカメラ、ドローン、および Android デバイスに最適
Nintendo Switch 動作確認済(Amazonに記載あり)
メーカー公式サイト
https://bit.ly/3GljqYA
販売サイト
https://amzn.to/3yaGO8n
購入価格:3,540円(2021年ブラックフライデー特選セール価格)
2.この商品の購入にあたり考えたこと
2.1.この商品を選んだ理由
主にスマホでの利用を想定し、写真やビデオの保存先として利用予定。
高速、価格/容量のバランスが良かった。
UHS-IのmicroSDの中では最大読み書き速度や各種スピードクラスが高速で、なおかつA2対応でランダムアクセスにも強そうだった。
ただし、書き込み速度についての記載はパッケージにも公式サイトにもない。
同シリーズの容量と最大読み/書き速度各種スピードクラス、アプリケーションパフォーマンスクラスは下記の通り。
各容量とも
最大読み出し速度130MB/s
最大書き込み速度Lower than Read Speed
容量/スピードクラス/UHS-Iスピードクラス/ビデオスピードクラス
/アプリケーションパフォーマンスクラス
64GB/C10/U1/V10/A1
128GB/C10/U3/V30/A2
256GB/C10/U3/V30/A2
512GB/C10/U3/V30/A2
2.1この商品に関する懸念
2.1.1転送速度について
Samsung EVO Plusの読み取り最大速度は130MB/秒と、SDアソシエイションが定めるUHS-I(SDR104)の仕様104MB/sをも余裕で上回る規格外のスピードです。
ニュースリリースによるとDDR200対応の製品とのこと。
メーカー公式サイトによると、このスピードを実現するためには互換性のあるカードリーダーが必要で、それ以外の環境ではUHS-I SDR104の規格に準じるとのこと。
近年、サムスンの他にもサンディスク(ウエスタンデジタル)、マイクロン、トランセンドなどがDDR200対応の商品をリリースしています。
SDアソシエイションによると、UHS-Iには、50MB/s(SDR50)および 104MB/s(SDR104)の2つのスピード区分があるとされています。もしかしたらSDアソシエイション未公表の第3のスピード区分として200MB/s(SDR200)が存在している、もしくは新規格の策定へ向けて各社が取り組んでいる段階なのかもしれません。
私は現在のところSamsung EVO Plusとの互換性が確認されたカードリーダーを所有していないため、以降に記す各種テストでは本来の性能が確認できていない可能性があります。
*サムスンメモリーカード メモリカードリーダー動作確認情報(ITGマーケティング調べ)
https://www.itgm.co.jp/support/data/post-8231
2.1.2耐久性について
EVO Plusシリーズは上位のPRO Plusと同等の補償内容になっています。
書き換え耐性については同等以下の可能性があります。
3.エラーチェック及びスピードテスト
以前に購入したmicroSDカードが不良品で記録したデータが破損してしまったことがあるので、特に急ぎの用事などがなければ、可能な限りエラーチェックとスピードテストを行っています。
3.1.エラーチェックとスピードテストのツール
HDTunePROが使えればいいのですが有料なので使っていません。
基本的には下記のいずれかの手法でテストしています。
3.1.1.エラーチェック
利用ツール
a.Check Flash
http://mikelab.kiev.ua/index_en.php
b.H2testw
https://www.heise.de/download/product/h2testw-50539
いずれのツールもメモリ領域の全域もしくは略全域にデータの書き込みと読み出しを行いエラーがないかチェックするものです。
CheckFlashの方がより高精度に検証を行うことができますが、対応容量が256GBまでになっており512GB以上では正常に動作しません。
実際に書き込みと読み出しを行うため、副次的に速度の計測もできます。ただし、リアルタイムの速度ではないのでリアルタイムでの速度変化がわからないという問題があります。
3.1.2.スピードテスト
利用ツール
a.CristalDiskMark
https://crystalmark.info/ja/software/crystaldiskmark/
b.Windows10のエクスプローラ
コピー操作により、別途用意したダミーデータの書き込みを行う。
ポップアップウィンドウに表示される進捗-転送速度グラフを目視確認する。
速度の経時変化が確認しやすい。ただし、グラフのスケールが固定されてしまっているため、一度に全域相当の書き込みを行うと速度変化が確認しづらくなるため、1回当たりの書き込み量を増減させたりすることもあります。
3.1.3.その他のテスト環境
ASUS ROG Zephyrus M16 GU603HM (GU603HM-I7R3060EC)
OS:windows10Home
CPU名:インテルCorei7-11800H
メモリ:16GB(DDR4-3200)
ストレージ:SSD Samsung 980 Pro 1TB
グラフィックス:NVIDIAGeForce RTX3060
カードリーダー:microSDカード
USBポート:Thunderbolt 4 (Type-C)、USB3.2 (Type-C/Gen2)、USB3.2 (Type-A/Gen2)、 USB3.2 (Type-A/Gen1)
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)
Kingston MobileLite Plus SD Reader(型番:MLP)
SD Card Formatter(スピードテスト前にはフォーマットしています。)
https://www.sdcard.org/ja/downloads-2/formatter-2/
3.2.容量の確認
各種テスト実施に先立ち、実際の容量を確認しました。
使用可能容量:255,552,126,976Byte≒238GB(Windows上にて確認)
*画像は後からスクショしました
4.テスト結果
4.1.UHS-I対応カードリーダを使用した場合
4.1.1.
H2testwによるチェック結果です。
PCに搭載されているカードリーダライターを使用しています。
Warning: Only 244414 of 244416 MByte tested.
Test finished without errors.
You can now delete the test files *.h2w or verify them again.
Writing speed: 81.5 MByte/s
Reading speed: 92.3 MByte/s
H2testw v1.4
4.1.2.
CristalDiskMarkによるテスト結果です。
PCに搭載されているカードリーダライターを使用しています。
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CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo
Crystal Dew World: https://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 96.502 MB/s [ 92.0 IOPS] < 86027.15 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 96.625 MB/s [ 92.1 IOPS] < 10845.09 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 14.943 MB/s [ 3648.2 IOPS] < 8756.90 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 14.499 MB/s [ 3539.8 IOPS] < 282.10 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 78.177 MB/s [ 74.6 IOPS] <104283.07 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 59.358 MB/s [ 56.6 IOPS] < 17634.98 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 2.953 MB/s [ 720.9 IOPS] < 44191.78 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 2.959 MB/s [ 722.4 IOPS] < 1383.38 us>
Profile: Default
Test: 1 GiB (x1) [Z: 0% (0/239GiB)]
Mode: [Admin]
Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec
4.1.3.
Windows10エクスプローラのコピー作業による書き込み速度観察です
PCに搭載されているカードリーダライタを使用しています。
約1GBのダミーデータを複数個まとめて、数回書き込みます。
先にテスト結果についてまとめます。
概ね80MB/s台を維持し続けます。
9GB程度ごとに周期的に50~60MB/s程度に速度低下を起こしますが、素早く回復するため、トータルでの速度の影響は少ないです。
空き容量が減少しても速度低下を起こしません。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを書き込みます。
約1GBのダミーデータを20個、合計約20GBを追加で書き込みます。(合計120GB)
約1GBのダミーデータを10個、合計約10GBを追加で書き込みます。(合計130GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計160GB)
約1GBのダミーデータを40個、合計約40GBを追加で書き込みます。(合計200GB)
約1GBのダミーデータを38個、合計約38GBを追加で書き込みます。(合計238GB)
4.2.UHS-II対応カードリーダを使用した場合
4.2.1.
H2testwによるチェック結果です。
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
Warning: Only 244414 of 244416 MByte tested.
Test finished without errors.
You can now delete the test files *.h2w or verify them again.
Writing speed: 111 MByte/s
Reading speed: 121 MByte/s
H2testw v1.4
4.2.2.
CristalDiskMarkによるテスト結果です。
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
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CrystalDiskMark 8.0.4 x64 (C) 2007-2021 hiyohiyo
Crystal Dew World: https://crystalmark.info/
------------------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 133.048 MB/s [ 126.9 IOPS] < 62555.68 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 133.318 MB/s [ 127.1 IOPS] < 7856.32 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 9.916 MB/s [ 2420.9 IOPS] < 13193.39 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 9.536 MB/s [ 2328.1 IOPS] < 428.65 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 68.924 MB/s [ 65.7 IOPS] <119436.58 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 35.354 MB/s [ 33.7 IOPS] < 29279.92 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 3.700 MB/s [ 903.3 IOPS] < 35247.25 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 3.603 MB/s [ 879.6 IOPS] < 1134.22 us>
Profile: Default
Test: 1 GiB (x1) [X: 0% (0/239GiB)]
Mode: [Admin]
Time: Measure 5 sec / Interval 5 sec
4.2.3.
Windows10エクスプローラのコピー作業による書き込み速度観察
Kingston MobileLite Plus microSD Reader(型番:MLPM)を使用しています。
約1GBのダミーデータを複数個まとめて、数回書き込みます。
先に結果についてまとめます。
概ね100MB/s台を維持し続けます。
9GB程度ごとに周期的に70MB/s程度に速度低下を起こしますが、素早く回復するため、トータルでの速度の影響は少ないです。
空き容量が減少しても速度低下を起こしません。
UHS-IIに対応している機器であれば非常に快適に利用可能です。
約1GBのダミーデータを100個、合計約100GBを書き込みます。
約1GBのダミーデータを10個、合計約10GBを追加で書き込みます。(合計110GB)
約1GBのダミーデータを20個、合計約20GBを追加で書き込みます。(合計130GB)
約1GBのダミーデータを30個、合計約30GBを追加で書き込みます。(合計160GB)
約1GBのダミーデータを40個、合計約40GBを追加で書き込みます。(合計200GB)
約1GBのダミーデータを38個、合計約38GBを追加で書き込みます。(合計238GB)
まとめ
この商品の最大速度は独自のDDR200対応規格上で実現されているもので、この最大速度で使用するためにはITGマーケティング(サムスンの代理店)による動作確認済みのカードリーダが必要とされています。
しかし、動作確認済みカードリーダではなくても、UHS-II対応のカードリーダを使用することで商品仕様上の最大読出し速度に迫るスピードが出ました。
また、非公開とされている最大書込み速度については、上位シリーズPRO PLUS(2021)に匹敵するものでした。
UHS-I(SDR104)としても規格上限に迫る速度が出ていました。
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